![]() | 白髪犬工房さんのフラグシップケーブル、 カンタペルメ(canta per me)の音質レビューです。 |
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・AlgoRhythm Solo
・カンタペルメ
・AHA-120 / Portable Micro Amp
・MIL規格+5N単結晶銅線ブレンドIEMケーブル
・JH13pro

カンタペルメの面白いポイントとして高音の鳴り方が上げられる。
高音の線は太くも細くもない。が、上の方への伸びが秀逸で心地良い高音を
聞かせてくれる。他のケーブルでは聞こえないような高く伸びる音であるが
超高音の方は高音よりも細く伸びる。
そのために高音が耳に刺さり聞けないなどということはなくうまくまとまっている。
絶妙なバランスで鳴らす高音であるが鳴り方はさっぱりしていて
派手さがありながらも繊細である。味付けのあるケーブルであるが
とっつきにくさは感じずにまとまりがあると思う。
中音のなり方は音の粒が細かく美しい鳴り方をする。鳴り方は早くも遅くもない。
高音の鳴り方と似ていてさっぱり目でマッチした印象はある。
ただ、一方で高音と低音(詳しくは後述にて)と比べ個性が少なく音が薄く感じる一面も。
ボーカルや弦楽器・管楽器など艶かしく聴かせる感じはなく
すっきりさっぱりでやや平面的且つ薄い感じがありその点が私的には惜しい。
ただ、艶感や生々しさを求めずにすっきりと聞きたい方にはしつこく感じないと思われる。
私的にであるがカンタペルメの一番面白いポイントは低音にあると思う。
体感上は低音の量はやや減っているようには感じる。しかし、低音の質は
早くはないもののタイトでやや狭めに深く濃く鳴る。量がやや減ったと言いながらも
迫力のある鳴り方をしボワつかずに唸るような音に変わる。ケーブル+ハンダで
ここまで変化するのかと。非常に面白味のある仕上がりである。
PMAについて言えば低音に深さを足りないと思っていたためにカンタペルメとの
相性良いように思う。同じアンプ・音源などでも印象が変わってしまうほどの
個性があり好みに合えば持っておきたい一本である。
レベルとしては高く細かい音をよく拾う。低音も唸るようになるといっても
ぼやけたりもせずに解像度が高めで濃い音色と解像度を両立させてたところに
好感を持てる。強いて言えば高音は上に伸びつつもかなりうえのほうの
音が薄く感じる印象があるのと中音は爽やかになる一方で薄めでやや音が
抜け落ちている印象を受けた。ただ、レベル的には十分であるため
相当解像度のこだわりがない限りは音の鳴り方(音色)を重視して
購入の判断をするのが賢明かもしれない。
音の分離はよく楽器の数が多い楽曲でもそれぞれの楽器・パートで音は分離する。
ポータブルとしてみれば特に問題を感じずに良い仕上がりだと思う。
定位について打楽器などの音を聞いていて方向や距離感などは良いと思うが
音のキワに甘さを感じる部分があった。中音について言えば低音の濃い鳴り方か、
薄めな印象のある鳴り方が原因かは謎だがやや定位感がぼやけ埋もれる印象がある。
(※比較対象はMIL規格のものなど軍需品のケーブル)
低音はやや狭いといったが音場については不満はない。
高音と低音はレンジが広く音の消え方はシャープにすっきり遠くで爽快に消える。
体感的にも広く感じる。低音も深く唸ると言いつつも消え方は
遅いわけでも無く窮屈に感じたり不自然に引き伸ばされた印象もない。不満なし。
高額目な価格であるがレベル的には十分。とくに高音のノビや
低音の濃く深く唸る鳴り方など音作りの面で面白さのある一本。
リファレンス系ではなく味付けのあるケーブルであるが個性があり
他に似たキャラのケーブルも無いため貴重さも感じる。
パラジウム線を使っているために固く扱いにくいという方もいるかもしれないが
ケーブルでの音色の変化を解像度を保ちながら
体感したいという方には良い選択肢になるかもしれない。