ハンドメイド品の販売についての個人的な意見

ハンドメイド品の販売についての個人的な意見

What is this?

音響製品のハンドメイド品を販売していた経験をもとに手続きや個人の所見を記したものです。ハンドメイド品の取り扱いに関するトラブルを少しでも減らすことができればと思い記録に残します。

記述の背景

SNS等でハンドメイドが賑わい、音楽の再生環境の中にハンドメイド品を入れながらオーディオや音楽鑑賞(以下、2つをまとめてオーディオとします)を楽しむ機会が増えてきていると思います。メーカー製品と異なる点として1つずつ手作りのため、細かいところにこだわった調整ができ、環境を良くしていくための手段の1つとして活用できるのではないかと思われます。

その一方で、製品や販売に関連するトラブルもありせっかくの選択肢を安心して活用できないような状況もあり、販売者も購入者も残念な思いをするのももったいないと思います。こうした負の側面を減らし、多様なオーディオの楽しみ方をできるように記述します。

筆者の立場

筆者は芝音研という名前でケーブルを作り細々と音響周りのサポートをしています。ハンドメイドそのものには悪いイメージもなく、メーカーも多くの場合、はじめは小さなリソースからスタートしていると思います。ハンドメイドで作り販売することにも肯定的な立場です。

ただし、製品はちゃんとお渡しする、必要があれば納税する、悪事を働かないなど規模の大小を問わずに必要なことだと思います。

前提(作品の頒布の目的)

営利目的で作品をお渡しすることを本投稿の前提にします。ボランティアで作品を配る例というのも私の経験の中ではほとんど見かけません。仕入→製造→販売のサイクルのほうが多いです。国税庁では営業の意義を下の通りにまとめられております。

一般通念では、利益を得る目的で、同種の行為を継続的、反復的に行うことをいいます。営利目的がある限り、現実に利益を得ることができなかったとしても、また、当初、継続、反復の意思がある限り、1回でやめたとしても営業に該当します。
引用:https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/19/01.htm

私は国税庁周りの職員ではないので↑を判断する立場にありません。加えて一般通念(つまり暗黙の了解)という書き方をされているので線引きが難しいのですが、仕入→製造→販売のサイクルが営業でないと言い切れるかといわれると、非営利でないことを説明できるような何かが無いと難しいと思われます。確定的なことは然るべき立場にある方に任せるとして、個人的に心がけていることを記述します。

販売にあたって気をつけていること

特定商取引法に基づく表記(表示)

販売者の中でも特定商取引法に基づく表記が必要な業者の代表例として通信販売があります。Twitterやホームページなどインターネット等の通信手段を使用した販売が対象となります。SNSで交流のある方や熱心なオーディオファンも多く、氏名や住所等の表記、トラブル時の手続きなどの記述がなくとも購入される購入者の方もいらっしゃいます。

しかし、対面で商品を扱っていないため商品を発送して受け取り後にトラブルが生じることもあります。こうしたトラブルの準備をし安心して商品の売買ができるように特定商取引法に基づく表記は欠かせません。ないよりはあったほうが良いのは間違い無いでしょう。

開業届と確定申告

一定以上の所得を得ると確定申告という税金の支払いのための手続きが必要です。納税は国民の三大義務であり、そこを無視して事業を続けても脱税等になってしまうため自身で帳簿をつけたり弥生の会計やFreeeなどのソフトを使って帳簿記入をします。開業届を出すと青色申告という確定申告で節税や赤字の繰越ができるような申告方法を選択したり、事業用の口座を作ったりでき納税しやすい環境を作れます。

開業届や確定申告については、お住いの地域の税務署や税理士等への相談コーナーなどで対応しましょう。また、開業届は事業用の口座開設で提出を求められるので大事に保管しましょう。

以下、個人の意見の特色が更に強くなります。

素直であること

作り上げたハンドメイド作品を誇張せず素直に魅力を伝えることが大事だと考えます。オーディオのハンドメイドであれば価格や取り回し、耐久性、音のキャラクター、デザインなど、製品の魅力や購入基準に関わる要素を細かく調整することができます。

作品と向き合うことが条件になりますがオーディオを楽しめる製品を作れれば10^{n}円の商品を10^{n-1}円の商品で超えるかのようなアピールを自身でする必要もないですし、他社製品と比較して貶めるようなことをする必要も全くありません。

何より製品の機能とユーザーの声は雄弁です。誇張して製品の説明を伝えられがっかりさせてしまうような経験は売手も買手も不本意だと思います。かと言って説明で過度に遠慮する必要もなく素直に等身大を伝えるのが良いでしょう。それでうまく行かない場合にはマーケティングの4P/4C見直して、また買い手の方々に判断を委ねて見ましょう。

良薬は口に苦し

良い薬ほど苦いもので受け入れることが難しいかもしれません。短期的には苦いものを避けることで楽をできるかもしれませんが、長期の目線で見ると苦いものを早々に受け入れることで早く良くない状態からのリカバリーができます。
頑張って作った製品であっても価値観や趣味趣向は多様にあるのでコレジャナイ!というご意見も上がることはあります。解決には時間を要することもあるかもしれませんが、薬をのみ修正していくことでより良い製品を作る機会が増えてきます。答えが一生かかっても出ないものを考えるべきかと言われると悩ましさもありますが、時間をかけて答えを探していくこともまた面白いです1
こうした作品をより良くするためのご意見(薬)を敵と片付けてしまうことはもったいないことであり、メーカーとしての技量の幅も狭まってしまうと思います。誹謗中傷などの毒を進んで飲む必要はないですが、処方箋をいただくような機会があればProsConsをまとめて改善に役立てると良いでしょう。

ProsCons(と自戒)

ProsConsは簡単に言うと長所・短所をまとめた表のことです。私の自戒の例で説明します。
自戒というのも製品の作り方の姿勢で他の作り手の方と議論になったことがあるためです。具体的には私は顧客が求める製品を作るべきという立場であり、もう一方の意見としては自身が満足した製品を世に出していくべきという立場で平行線になったことです。これをPros/Consでまとめると下のとおりです。

ProsCons
顧客主義顧客の満足を追求できる手間がとてもかかる
大規模な生産に適さない
製品主義作り手のカリスマ・特色を売りに出せる
多量生産をしやすい
自己満足に陥る可能性

リソースやターゲット、戦略の違いもあり単純に比較できる内容ではありません。かつ、上のケースは賛否両論があるかと思います。ただ、大事なのは反論・意見が合わない = 敵ではなく、しっかり比較し良し悪しを吟味することが大事だと思います。

結論としては私は顧客主義の組織に所属することになり、もう一方は製品開発に強い組織に所属することになりました。置かれる環境によってどちらが良いのかもまた変わってくると思われます。

相手を尊重しよう

意見と意見の衝突であれば比較や修正、反論などいくらでも可能です。ですが、自身に都合の悪い意見を強制的に改めさせようとするのはさすがにムリがあります。

大抵の場合は、理不尽に相手の意見を曲げたり遮ったりしても反感を買うのみで余計に炎が燃え上がります。ネットだとつい忘れてしまうこともあるかもしれませんが、画面の向こうにも人がいることを忘れずにいるように心がけましょう。人格を否定するなどもってのほかです。

まとめ

自作はとても楽しい!でも、ルールとマナーは守りましょう。


  1. プラチナ・パラジウムを使ったケーブルを完成するまで7-8年ほど要しました。最初5−6年は賛否がとても割れていました。 

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