Topping PA5 IIの音質レビュー

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ToppingのPA5 IIをAmazon(に出品しているシンセンオーディオ)より購入しました。購入価格は33,700円です。簡単にレビューします。
TOPPINGについて
TOPPINGは2008年に中国の広州で設立されたオーディオブランドです。デスクトップ向けのDACやヘッドホンアンプ・スピーカー向けのアンプなど多数展開しています。「TOPPING, bringing sincerity to music, bringing beauty to the world(音楽に誠実さを、世界に美しさを).」を理念に掲げております。手頃なサイズ感・価格感でパフォーマンスに優れた製品が多数あり、大手家電量販店では販売されていないもののAmazonなどで購入できる信頼できる中華オーディオとして評価されています。
PA5 IIについて
PA5 IIはPA5を前身とする最新のパワーアンプです。フルバランスに対応したクラスDのアンプです。直流38V/3.0Aと小型のアンプでありながらパワーのある電源で十分な出力がありサイズからは想像つかないクリアな音質が得られます。電源の投入時のポップノイズも完全に解消されサイズや価格の観点から同じ価格帯のパワーアンプと比較しても手軽に使える点が特徴です。PA5 II Plusでは電源が直流38V/4.0Aとなっており、よりパワーが必要な場合に最適です。
フロントパネルには電源、シングルエンドとバランス出力の切り替えスイッチ、ボリュームがついています。背面には電源・スピーカー出力端子(バナナプラグに対応)、RCA入力(シングルエンド)TRS入力(バランス)があります。バランス入力がXLRではなくTRSで若干特殊なので環境構築の際に注意がいるかもしれません。
サイズは12.9cm(横幅)x16.6cm(奥行き)x4.1cm(高さ)で同価格帯のパワーアンプと比較しても非常にコンパクトで、重量も680グラムと十分に軽量です。
購入した理由
サブシステムとしてFiiOのK7を使用しています。PA5 IIと同じぐらいのサイズのUSB DACとヘッドホンアンプを搭載した機材で、ここにPA5 IIを足すだけでスピーカーも鳴らせるようになります。サイズ感も似ていて同価格帯の中でもコンパクトで十分な信頼性と実績のあるTOPPINGが選択肢として上がりました。SonyやYamaha、DENONなど国内のメーカーもありますが余分な機能がついていたり、電源周りのカスタマイズができない構成だったりなどで合わず、過不足なく手頃なサイズと価格のPA5 IIに魅力を感じて簡単なサブシステムを組みたいと考え購入することにしました。
レビュー
環境は以下の通りです。
機材 | 名前 |
---|---|
プレイヤー | iPad mini + Amazon music (AirPlayを使用) |
トランスポーター | Raspberry Pi3 + moode Audio |
DAC | FiiO K7 |
RCA | Belden 88760 |
アンプ | Topping PA5 II |
ケーブル | Zu Audio Mission |
スピーカー | ACOUSTIC ENERGY REFERENCE 1 |
壁コンセント | FURUTECH GTX-D NCF(R) |
K7のラインアウトがRCAでシングルエンドのみなのでシングルエンドでの利用によるレビューとなります。フルバランス環境をコンパクトに安く組む場合には同ブランドのe50を組み合わせると良さそうです。
音の全体の傾向はフラットで中庸的な音がします。高音は硬くも柔らかくもエッジ感もなく無難にきれいに響く印象です。特別にレンジが広く伸びるような感触もないですが、BGMとして安心して聞けるようなクセのなさは長く使う上では意外と良いポイントだと思います。
中音域はやや柔らかさがあり男性ボーカルよりも女性ボーカルの方が向いていそうです。男性ボーカルはやや腰がたかいのでPOPやロック、メタルなどを聴く際に少し物足りなさがあるかもしれません。女性ボーカルやジャズ、クラシック、アコースティック系の音源とは相性が良さそうです。
低音も若干柔らかさがありますが少し速度感が速いので低音が主体な楽曲や低音に強いこだわりがなければ無難に聞ける印象があります。
ただ、3万円の価格帯ではあるので音の静寂感や駆動力には限度があり、ブックシェルフタイプのスピーカーを十分に駆動できている状態ではありません。小型のスピーカーや1WAY/2WAY程度のスピーカーをこぢんまりと鳴らす用途に向いていそうで、もう少しパワーが必要な場合にはPA5 II Plusやe50などと組み合わせてフルバランス環境を作ることが視野に入りそうです。
また、筐体の側面や底部には排熱のための穴が空いていますがクラスDのアンプとしては発熱が強めだと思います。数時間使用すると筐体全体が熱を持ちます。ただ、触れないほど熱くなるわけでもないのであまり神経質にならなくても良いでしょう。
そのほかポップノイズやギャングエラーなどもなく小型で綺麗な音は出てはいるので使いやすいアンプだと思います。
今後のシステムの構築について
こぢんまりと鳴らす意味ではスピーカーがやや過剰で1Wayのもう少しコンパクトで鳴らしやすいスピーカーで試してみたい気持ちがあります。BS-8と呼ばれる小型のエンクロージャーでスピーカーを作りまた音の変化なども追っていきたいです。
まとめ
中華オーディオの定番のToppingよりPA5 IIを購入し鳴らしてみました。中庸的な音でフラットで小型なのでオーディオをはじめたばかりの方でも安心して使える安定感があります。中庸的な音ではあるもの音の色感がなくなるわけでもなく無理やり解像度を高い感じやHiFi感を出しているようなこともありません。選択肢としては手頃で無難に良い機種だと思います。
関連する機材
※Amazonへのリンクです。記事で出てきた機材などをリンクしています。
名前 | 特徴 |
---|---|
Topping PA5 II | 本記事で紹介したパワーアンプです。DACのラインアウトとRCAなどで繋ぐだけで簡単に使えます。 |
Topping e50 | DAC単体の機種で3万円未満の価格でありながらバランス出力にも対応。PA5 IIとのサイズ感やTRS形式のバランス出力の対応で組み合わせの第一候補として考えられる。 |
FiiO K7 | USB DACと一体となったヘッドホンアンプで4.4mmのバランス出力にも対応。THX-AAA 788+が搭載されており発熱もなくザブ環境としても手軽に使いやすい機種です。 |
FURUTECH GTX-D NCF(R) | ロジウムメッキの壁コンセントです。フルテックのロジウムメッキの製品は中音域の色感がなくなったり高音が騒々しくなったりすることがなく、中音域のツヤ感や音の鮮度が加わります。ヘッドホンよりもスピーカーで音楽を聴く場合に使いやすいです。 |