仕事の軸
Flutterのコードの読みづらさから合わなさを感じながらもなんだかんだでFlutterやDartの学習を継続している。他に得意なできる言語やフレームワークはあるものの、スマートフォン向けのアプリが作れる、クロスプラットフォームである、ある程度のエコシステムや実績がある点で現状では代替が効かない最も手軽な選択肢であると考えている。また、Flutter自体はできないのではなく、好みに合わないというところで他に選択肢がない中でなかなか贅沢なことを言っていると思う。
私はFlutterの開発者のコミュニティーにも所属している。コミュニティーにはプログラミングの初心者、Flutterの初心者、仕事として開発を行うエンジニアの方など色々な属性のメンバーがいる。その中では私はFlutterの初心者の位置付けになると思う。好みは置いて特にFlutterへの苦手意識はないので、コードのインデントが深く読みにくく、コードの分割もしづらい点は嫌だなあと思いつつもとりあえず書くことはできる。
一方で多様なメンバーがいる中で、プログラミングの初心者の方も多く、プログラミングの取り組み方も多様である。楽しんで毎日熱心に記録を残しながら開発の階段を登るものもいれば、プログラミングに一髪を賭けてなぜか苦しみながら開発を続け気づいたら消えているメンバーもいる。
プログラミングは抽象的な考えを扱いつつも、思ったとおりではなく書いた通りにしか動かない厳密さも持つ。プログラミング言語は良くも悪くもルールがあるために決まった書き方しかできないので、レールから脱線するとエラーとして間違いを教えてもらえる(とてもありがたい)。これを解消するのもシンプルでありながら意外と手間がかかるので、こうした地道な作業を続けていけるかというのもプログラミングをしていく上での一つの才能であると思う。
人間の属性についてもっと広くみると、人間の関心や能力・性格もさらに多様である。物事には向き・不向きはあることは否定できない。初心者のプログラマーの方が苦しみながら学習をし、その中で仕事としてプログラマーになろうとして怖い思いをしつつ厳しい指導を受けるような場面をコミュニティー内で見かけてそう感じた。
その指導の中では「自分の特性やミスを言い訳にせずに、改善策を考えること」も挙げられていた。戦術としては理解できるものの、自分の特性やらしさというのも良くも悪くもある。そのために、目先の指摘としては正しいもののそもそも人間には得意・不得意があるので、時には言い訳にしてもいいのではないかと引っ掛かり仕事の軸について考えるに至った。
正直なところ私もプログラミングが苦手というわけではないために、アドバイスには戦術として理解はできたが、アドバイスの内容としてはプログラミングができる視点だからこその内容である。アドバイスが戦略として正しかったのか他人のことでありながら反芻している。私もなんでもできるわけではないので、まず野球選手などプレイヤーとして勤まることはないだろう、芸術家としても今求められてもまず厳しいであろう。
そう考えた時に、仕事の軸として第一にできることかで足切りの軸が必要だろうと考えた。どんな思いがあるにしても、それが自身ができない仕事であれば厳しいアドバイスをされても自己否定の連鎖となり苦しいだけで仕事としての成果不十分となる。そのため、仕事の軸としてできるかどうかは必須だと思う。同時にできることは伸ばしていき、仕事の選択肢を広げていくことになるため能力の開発や勉強は仕事選びの基礎として欠かせないと考えられそうだ。
第二に好きな(もしくはやりたい)ことかどうかも大事だと思う。好きなことは仕事にしたくないという方もいてその考え方は特に否定する気はない。仕事にすることによって好きなことを好きなように楽しむことができなかったり、好きなことの嫌なところ見てしまったりなどする可能性も時にはあると思うので距離とるというのも選択肢の一つではある。ただ、人生の大部分を仕事で過ごす可能性もあるので、少なくとも嫌だと感じるような仕事は回避したいし、色々あるにしても好きなことは好きなまま仕事ができれば良いと思う。
第三以降は個人の好みや価値観で自由に決めていいと思う。例えば良好な人間関係・報酬の高さ・人の役に立つこと・身体の負担が少ないことなど、なんだっていい。個人としては人間同士のやり取りをしていくときにくだらないことでストレスに感じるようなことは好まない。なので、良好な人間関係(おかしな人がいない)が充実しているとありがたいと実は思っている。ただ、軸を増やすほどに選択肢は当然のように少なくなっていくので、優先度の付け方と軸の設定方法には注意が要るだろう。
「自分の特性やミスを言い訳にせずに、改善策を考えること」というアドバイスは向いてる人であれば成長の糧となり、そうでなければ足枷になるような地味に強いワードだと感じている。このやりとりをした二者の関係まで深く理解はできていないが、そうしたことを言えるのは相手への期待や信頼があるからだろうと私は信じている(どうでもいい人にわざわざ厳しいことを言う時間も労力も勿体無い)。厳しい言葉を浴びる場面も時にはあるかもしれないができれば枷ではなく糧となることが望ましい。そうなるためには、戦略的に自身に向いている環境を選ぶための軸が大事だと自分の中では結論づけた。また、Flutterは好みではないものの出来はするので好きになっていくための勉強(努力)も続けようと思う。