AKG K702用のケーブルの自作

Bispaの電線(BSP-NXOFC-104QCL)を使ってAKG K702用のケーブルを作りました。作り方や音の変化など書きます。
概要
AKG K702を8月末に購入しました。開放型ヘッドホンでリケーブル対応でありながら1.5万円で入手でき、帯域バランスの良さと価格に対しての解像度の高さが光る一品です。スマホ直挿しなどパワーが足りない環境では厳しいですが、駆動させられるアンプさえあればハイコスパなヘッドホンだと思います。
せっかく安く入手できたので、安いケーブルで更にアップグレードできないか試したくなりケーブルを作りました。
材料
電線やコネクタはすべてBispaで揃います。
合計:5,480円
電線は無メッキのOFCです。シンプルな電線ですが、アニール処理や比誘電率の低いXLPEの採用など純正ケーブルよりもだいぶ豪勢だと思います。MINI XLRはベリリウム銅の採用、ステレオプラグは3.5mmと標準の両方に対応したプラグです。
はんだは和光テクニカルのSR-4NCuなどを使っています。K702の低音を少し盛りつつウォームな音にしたかったためです。SR-4NCuだけだと男性ボーカルが少し物足りないので他のハンダも使い、MINI XLRとステレオプラグのそれぞれに1種類ずつ振り分けています。
上記の素材でBispaで販売されているハンダを使う場合には、Kester・DUTCH BOY・Kirkson・Cardasを避けてください。高音の好みによっては銀(Ag)入りはんだを避けておけばなんでも大丈夫です。高音もしっかり出てくれる電線なので、銀入りは当たり外れがでやすいかもです。
自作
電線は購入状態でツイスト済みです。芯数を増やすとかしなければ、被膜はいではんだ付けするだけで大丈夫です。プラグなどのはんだ付けを進めていきます。
Mini XLRは以下の構成になっています。
コネクタにもきちんと付番されているので現物をご確認ください。ピンアサインは1番がGND、2番がRight、3番がLeftです。ケーブルは4芯なので、1番に2芯分割り当てて、残りは1芯ずつにしてはんだ付けしてください。
ステレオミニプラグは先端からLeft、Right、GNDと割り当てられています。テスターなどでお手元のステレオミニプラグのピン配置を確認して、Mini XLRのピンアサインと対応するようにそれぞれのチャンネル・GNDをはんだ付けしてください。
完成
仕上がった pic.twitter.com/5GtYlvk7b7
— K (@rmc_km) September 4, 2021
レビュー
標準ケーブルと比較すると音の密度が増しつつも軽く粒度の細かい音になります。中高音域で特にこの状態が現れ、高音の伸び感やK702の持つ音の繊細さがより引き立ちます。低音はK702なのでドッスリとまではいきませんが、重量感や肉感がでてやや硬めの音になりました。
純正ケーブルのほうが薄味で音のバランスが良い感触があります。一方で解像度や定位・レンジ感が不足しているようにも思われます。
余談
それぞれに良し悪しなどありますが、5000円前後で純正ケーブルや自作ケーブルを試せるので、色々遊んでみると良いと思います。3PinのMini XLRなので、バランス化しようとするとヘッドホン自体の改造が必要となってしまいます。そうなると気楽にリケーブルというわけにもいかないのでご注意ください。
まとめ
他のヘッドホンよりもリケーブルによる伸びしろもあり、安く手軽に試しやすい点でK702用のケーブルの自作に魅力があります。いろいろな構成でリケーブルをお楽しみいただくきっかけになりましたら幸いです。