多様性に対する寛容さ
2026年2月18日
💡 Summary
AIツールやSNSの現状、最近の選挙結果などを通して、日本社会における多様な意見への寛容さと民主主義のあり方について考えた記録。
ここのところAIを使って個別株の投資のための指標や決算書の分析をしています。AIに分析の手順とやるべきこと、注意すべきことや、分析の3つの観点(強気・中立・弱気)など分析の型やものの見方を教えることによって多様な意見が得られます。自身の考えと異なることもあり直感に反することもあったり、思わぬ気づきが得られたりすることもあります。AIは道具であり統計を活用して文章を作っている面もありますが、それでも他者の代表的な意見を自身が考え抜いた指示に沿って抽出できるので、応答には意外性や新鮮さ・新しい機会や学びがあると思います。
一方でXなどのアルゴリズムやAIを活用しているSNSではエコーチェンバーが発生しています。自身と似た趣味や関心を持つユーザー同士でつながり、おすすめ欄には自身と似た考えの投稿やユーザーが表示され、特定のある考え方のトピックが身の回りに溢れる現象です。ポップカルチャーなど大衆的なものから離れてマイノリティ同士でのコミュニティを作り、ニッチな情報や価値観を共有できる点で多様性を創出する効果があると思います。その一方で、コミュニティの外の集団や異なる考え方に対してあまり寛容さがなかったり、無関心でコミュニティ外の情報が入ってこなかったりなど分断や衝突の原因となっているように感じることもあります。
自民党が大勝し野党ではチームみらいの躍進・中道改革(のうち元立憲民主党)の失速が2月8日の選挙の大まかな結果ですが、これらに対して反対ではなく強い否定や不正選挙などの陰謀論などが出回っています。事実であれば問題ですが、自身の意見を事実のようにして語り都合が悪い他者の考え方を否定するのは民主主義のあり方としては疑問があります。ポピュリズムで見かけ上の都合の良い意見ばかりが支持されるリスクもあり、大衆が必ずしも最善の判断をするとも限らないので多数決的な決定が必ずしもよいと思いはしません。それでも、国の制度としては民主主義で多様な意見を聞きつつも、国民の代表として民意を得たものが議員になる仕組みや議会の運営方法を憲法や法律で決めているわけですから、日本で生活する日本国民は少なくともこのルールには従うことになります。
自身の意見と違うことを否定し、他の民意を無視して強引に自説を押し通す。それはマイノリティの保護でも多様性の尊重でもなく、単なる『わがまま』です。私個人は高市総裁の積極財政には必ずしも賛成ではありませんし、仮に積極財政の財源に外為特会の活用を検討するのであれば通貨信用の観点から危ういと思います。しかし、今回の選挙は『首相を選ぶ』という明確なテーマのもとで行われ、その結果として民意が示されました。私たちは国政の運営プロセスに不正がないかを監視しつつも、決まった枠組みの中で最善の結果を期待するのが民主主義のルールではないでしょうか。
しかしながら、現状はそうではなく決まったことが気に食わなければどのような手を使ってでも否定をし、自身とは異なる意見を認めない。マイノリティ同士で繋がり多様性も確保され、大衆文化だけでなく小さなコミュニティでも人が活き活きと過ごしています。その裏では小集団同士での小競り合いが起こり多様性や違いを否定するわけです。欧米圏では「Agree to Disagree」という言葉があり日本語では「反対意見を受け入れる」や「意見が違うことに同意する」といった意味です。日本はほぼ単一民族の国家といっても良いですが、そうした背景からか多様な考え方が存在する政治や宗教などの話題もタブー視されており、多様性や異なる意見に対する耐性が備わっていないと思います。日本は地理的に島国であり、元々は多様性や個性よりも集団が大事なので異物に対する受容性もあまり高くないのだと考えています。
受容性に対する意見は個人の見解なので反論もあるかもしれませんが、大事な問題として民主主義の土台を崩すような異なる意見・考え方への攻撃的な態度が挙げられて、こうした攻撃的な態度は国の方向性を失わせて物事を決めることもできない状態になると思います。少なくとも超少子高齢化が進んで労働力が確実に足りなくなり構造的に苦労が予想される日本で非効率な小競り合いをするよりも、意見の不一致を認識しつつも協力する方が先決でしょう。
高度成長期も人口増加もデフレも終わり一方でインフレが進んで可処分所得が低下、年金も少子化の影響で減少と過去の日本と比較すると黄金期が過ぎているように感じることもあります。ただ、それでも生きている以上は生活が続くので小競り合いや攻撃をする時間があれば、私個人としては目の前のできることをきちんと頑張りたいです。