資産形成・投資における助言の確からしさ
2025年12月8日
ここのところ日記やブログを多めに書いているのですが難病を理由に健康やお金と向き合うことが多くなってきているので、健康に細心の注意を払いつつお金との向き合い方を改めています。お金の向き合い方について電子書籍やAudibleやWebコンテンツなどたくさん読んでいるのですが、正確そうなものもあれば都合の良い事実を切り取ってそれらしく説明してるものもあります。現状の自分の理解をまとめていきます。
資産形成
資産形成は人生において、現在から老後、そして死を迎える前の生きている間にお金に困ることがなく安定して暮らすために行うものだと私は思います。私の場合は難病を抱えているので仕事をいつまでできるかも分かりませんが、人生100年時代において75歳で仕事辞めたとしても25年間は仕事以外の収入を得て暮らす必要があります。しかし、老化によって身体がうまく動かなくなりますし、私の場合はすでに難病で身体が不自由なこともありますから健康な世間一般の若い方々以上に資産形成は大事だと思います。資産を作るには何らかの収入が必要で、生活するには食費や水道光熱費など出費が必要です。なので収入ー支出でまず収入の範囲で暮らして、お金が余ることで資産が作られていきます。そして資産は国や地方自治体、会社に公債などを通じて貸して利益を得たり、株や投資信託を通じて企業の活動に投資をしたりしてリスクを取ることでリターン(利益・損失)を得られます。リターンは資産*運用利率で表すことができて、これら全体を資産形成といい=(収入-支出)+(資産*運用利率)で表せます。
収入
収入の基本は日本国民の三大義務の1つである労働です。人間が会社などに労働力を提供してその仕事量や成果、もしくは会社の制度によって安定した報酬として給与が得られます。コンピューターや製造の機械、ソフトウェアなど道具やノウハウ・ルールは会社から提供されるので労働者はそれらや自身が持つ能力をうまく活用しつつ価値を生み出すことによって価値を生み出し、給料の形で収入が得られます。資産形成にあたっては自己投資を通じて自身の能力を高めつつ、昇進や転職をすることで収入を高めていけます。以前にも紹介したことがありますが、この日記の通りにまずは能力を発揮できる仕事をして、その上で好きなことをみつけられるとモチベーションを維持しつつ収入を長期的に高められるかと思います。ただ、競争も激しいですし収入をあげるのには努力が必要で確実ではないので、確実性の観点では優先度は中程度で日々コツコツ取り組む感覚でいると良いかと思います。
出費
出費は収入の範囲で行われるべきものであり、自身で購入するかしないかを決めるので一番コントロールしやすく確実だと思います。もちろん、病気やイベントなど不意の出費もありますが大部分は食費や住居費など自ら決定できるものでしょう。ただ、収入が高い人ほど出費も増えてしまうトラップもあり、労働者の大半がもっとも優先度が高く気をつけるべき項目だと思います。個人としてはミニマリストの書籍を読んで、不要なものを捨てて必要なものだけをなるべく残し普段は必要なものだけしか買わないようになりました。それだけでは味気がなく日々の生活も大事なので月1回はクラフトビールを飲みに行ったり寿司を食べたりする、四半期ごとにご馳走を食べに行く、誕生日とクリスマスにちょっとしたプレゼントを自分に買うなどルールを決めて購入したりします。また、その時に大きな支払いをなるべく分割して、その手数料をただにしたり補償付きで利率が低いことを条件に分割をして手元に残る金を多くしてキャッシュフローを安定させるなどの工夫もしています。その他、企業型DCへの満額の積立やふるさと納税の活用、NISA制度の利用など税金を減らすための合法的な工夫もして出費を抑えています。
投資
投資は一番曲者です。投資には良い投資と悪い投資があり自己責任です。ノーベル賞に経済学賞はありますが経済学者の意見もあまり当てにならず、銀行マンや証券マン・アナリストの意見も日々の営利目的の活動などの利害関係からその助言も信用しづらいです。日本をみると失われた30年と言われ投資しても資産が増えるとも限らず、反対にうまく投資をすることによって長期間の複利で着実に資産を増やすこともでき良くも悪くも不確実です。なので、まず出費を削って収入をしっかり増やし、生活に必要な貯蓄を持った上でさらに余ったお金で余裕と知識を持った上で自己責任で行うべきだと思います。たくさん、書籍を読んだ上での私の理解は以下の通りです。
- 投資は全世界株式などで市場平均をとるのが安定して利益を生み出せる
- 数学者や統計学者によって証明されている
- ウォーレンバフェット氏も妻などに市場平均を拾っていけるインデックスファンドへの投資を推奨している
- ファンドマネージャーが独自に投資対象を選んで投資するパッシブファンドは市場平均を超えることがあまりなくコストを考慮するとインデックスファンドに敵わない
- そのため市場にある大半の投資商品がゴミと言われてしまっている
- 証券会社や銀行会社にとってはアクティブファンドは貴重な収入源なのでインデックスファンドが売れて投資家が儲かってもあまり嬉しくはない
- 一方で年利が6%前後なので72の法則に沿って資産が倍になるまで12年ほどはかかり時間や継続的な入金が必要となる
- 多数の会社に分散投資しているので値動きは小さいが経済の成長を通じてゆっくり価格が上がっていく
- 日本において投資で損する人は7割いる
- 投資には値動きを倍にしたり、株を借りて返す手数料がかかる取引があったり、元本以上のお金で取引ができる信用取引がある
- 自身の想定と異なる値動きをした際に元本を割る損失がでる
- 個別株は投資信託と異なり値動きが大きいので短期の損失に耐えられず売ったり、枯れた種に投資し続けたりすることで損失が大きくなる
- SNSの極端な意見・目立つ意見に左右されて投資すると多くの場合に損する
- バフェット氏もAI投資の波にはあまり乗らず最近になってAI投資の中でGoogleへの投資をしている
- 投資には知識や哲学、将来の見通しや計画性、資産の余裕がある程度必要となる
- 投資には値動きを倍にしたり、株を借りて返す手数料がかかる取引があったり、元本以上のお金で取引ができる信用取引がある
- 予想は当てにならず過去や現在からの予測が重要である
- 資産形成と同じようにしっかり稼ぎ、節約して、適切に投資することが重要
- 日本や世界の人々から必要とされるビジネスを持っていることが大事
- 経済学者の予想の大半は当てにならず、金融関係者の意見も利害関係から多くの場合に素直に受け入れてはいけない
- 個別株のテクニカル分析は短期的にはそれらしく市場の心理を読み解く一助となるが未来を見通すことは難しい
- 一目均衡表やボリンジャーバンドなど現在と過去、少しの先の将来を読み解くのをサポートするツールとしてはわかりやすい
- 急な市場の変化における変化の度合いは読み解けるが購入の判断はファンダメンタルズ分析の方が根拠として強くチャートより早く購入の判断がしやすい(ただし、大きな下落時は勇気はいるかもしれない)
- インターネットやWindowsOSの登場、ITの発展や生成AIの台頭など時代における非常に大きな革新の予想はほぼ困難である(2010年代から2020年にかけて生成AIの登場を予想した方はあまりないと思われる)
- 暗号資産への偏見はある程度正しいが暗号資産の技術の価値もある程度は認められる。購入のオススメはしにくい。
- 短期・長期ともに値動きが激しいので一攫千金の手段として見られることもあるが短期間で資金をすり減らすこともしばしばある
- 仮に利益を出しても雑益となるので多額の場合に利益の半分近くの税金を納める必要が出る場合もある
- イーサリアムなど仮想現実で使える技術や改ざんができないことを利用した証明など資産とは別の派生的な利用方法もある
- 長期間の資産保有によって安定稼働に貢献することでステーキング報酬を年利1~20%得られる
- 利率が高いものは価格が下落している傾向は見られるので長期でコインを増えることを楽しみながら、そのコインのエコシステムの将来性を見極める必要がある
- 供給が無限に増えることも考えづらいのでステーキング報酬は長期的には利率が下がることが一般的だと思われる
- 価値が0円になっても良いような少額の資金で購入するとリスクを限定できる
- リスクの大きさに応じてリターンが定まりコントロールされたリスクの中で大きなリスクをとっている人に資産が移転する
- 銀行の預貯金は金利が極めて低く銀行にお金を預けても子供のおやつ代のリターンすら得づらい
- 株の値動きは大きいので損する人が多いが、その反面利益を得ている人の中には大きなリターンを得ている人もいる
- 投資信託の中でインデックスファンドは値動きが小さいので個別株よりリスクが小さいが時間をかけることで着実なリターンが得られる可能性が高い
- 初心者であっても知識も運も必要がなく時間をかけて積み立てるだけでリターンが得られる可能性が高い
- S&P500などアメリカの指標の場合にはアメリカの会社が右肩上がりに成長していれば継続的に利益が得られる可能性が高い
- アメリカの人口は2100年になっても移民によって増えるとされているので少なくとも現代の人間が生きている間は盤石である可能性が他の国々よりも相対的に高そうである
- 全世界株式は世界が経済成長していればアメリカと同様に利益を得られる可能性が高い
- ただし、全世界株式の6割がアメリカのTech株などに依存している点で注意がいる
- S&P500も同様であるが上位の株価の上昇に貢献している銘柄の影響が大きい
- アメリカの代表的な企業や世界中の優良な企業が利益を上げられなくなったら投資どころでもないので分散性と世界の成長を重視するのであればオルカン、アメリカを推すならS&P500となる
- オルカンはアメリカ株を6割含めているのでS&P500と同時に購入するメリットは低い
- 現金や国債、純金など異なる資産クラスで組み合わせる方が分散効果が高くなる
FIREについて
経済的自立と早期退職を組み合わせたFIREという用語があります。資産形成の目的の1つによくFIREが使われますが、私の場合は早期退職は目的ではなく追い込まれる可能性があるリスクであり、そのリスクに備えて経済的自立をして将来の暮らしを自立してできるようにしたいと思っています。なので、経済的自立をしても退職するかはまた別の話であり、反対に経済的自立をすることで病気の中での働き方に柔軟性を持たせることができ、人生の幸福度が上がると考えています。なので、FIREが目標というよりも経済的自立を達成することが目標で、その先どのように働き暮らしていくかはまた別に考慮すべきだと思っています。
個人の結論
まずは支出を減らして収入を増やし手元の資産を増やすことが必要だと思っています。国の制度や構造、老後2000万円問題からしてもお金は自分でどうにかしようという国の意思のようなものが感じられます。一方で、投資は個人のリスク許容度もありますしそのときどきの状況もあるので優先度は低くても良いかと思います。ただ、現状では世界経済は着実に成長していて、日本円のインフレは進んで資産が目減りしているので現金だけを持つリスクは認識するとよさそうです。その観点で個人の結論としては(1)収支をしっかり改善して手元に資産を残す、(2)生活に必要な資産ができたら適切に投資する、(3)投資は信頼性の高いインデックスファンドや純金、無理のない金額の持ち家などに分散して投資することに落ち着いています。とはいえ、投資信託も時間もお金もかかりますし急な出費に必要な金を生み出すわけでもないので、年齢に応じた配当株・投資信託の取得とごくわずかな暗号資産の購入など遊びも入れて経済全体と個別の企業や技術の動向を追うような工夫もわずかに入れています。投資は手段でありお金が増えようとも減ろうとも一喜一憂するべきものではなさそうで、地に足に着いた資産形成を行うには収支の改善が最優先であり1番の基本だと思います。
参考になった書籍など
参考になった書籍です。資産形成においては収入・支出・投資の内容をバランスよく確実さがあり、人生における生き方や幸せも述べられているものが多い傾向です。個別の投資の方法や自己啓発本なども多く読んでいますが、効率性や再現性、コスパやタイパなどを考慮すると下記がわかりやすく基本として大事です。
- バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
- 収入・支出・投資の関係やお金と幸せの関係など1冊にまとめた書籍
- 物語形式でお堅くない内容でありながら本質を突いた内容で読みやすい
- 数千年前の資産形成の法則でありながら現代と根幹が変わっていない点で面白さがある
- 経済評論家の父から息子への手紙
- 労働と投資、生き方や健康について手紙形式でシンプルに書いてある
- 投資手法も全世界株式への積立投資のみで内容が非常にシンプル
- 個人のガンの経験も含めて幸せと健康について述べられていてバランスが良い
- ユダヤ富裕層が13歳までに学ぶお金のルール
- 国を長く持たず迫害などの歴史を持つユダヤ民族の知恵が詰まっている
- ルールベースでお金との付き合い方もわかりやすく幸せに生きる法則も纏まっている
- 寄付などの助け合いやお金の使い方などお金をどう使うかの考え方もある
- ジェイソン流お金の増やし方
- 厚切りジェイソン氏個人の経験も踏まえてシンプルに収支の改善と投資の方法が纏まっている
- 「経済評論家の父から息子への手紙」と異なる点はS&P500のインデックスファンドに積立投資する点
- 資産形成の目的を学びつつ哲学や生き方などは省略して資産形成に集中した読み物として理解がしやすい
- 月10万円で より豊かに暮らす ミニマリスト生活
- 少ないもの・ことで暮らす質的・精神的な豊かさを学べる
- 浪費やムダ遣いについて気づくきっかけが得られる
- モノや支出が多い場合に最優先で読むべき1冊
- お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門
- 日本人向けに資産形成の手順や試算がまとまっている
- 投資手法や他の書籍における定説への反論もあり新しい発見や見方を得られる
- 社会のシステムや税制度、不動産など他の書籍では扱わない分野の広さがある