お金に対する価値観の変化
2025年12月11日
お金に対して振り返るとそこそこ極端な道筋を進んでやや遠回りだったと思います。現在はしっかり貯蓄を増やしている途中ですが元々は宵越しの銭を持たないような思想を持っていてどちらかというと消費と浪費をしていました。大学時代に趣味が高じて流れで始めた個人事業がお客様の応援もありうまくいったためです。2ヶ月もしない間に大学の奨学金を返せるぐらいに利益がでて、大学卒業後も副業として勢いがましていたためにお金が余っていました。お金が余っても使い道もなく消費してもとくに幸せを感じなかったので人生の早い段階でお金があっても別に幸せになれないと感じ始めるようになりました。一方で、個人事業では個人の仕事に対してお客様から直接フィードバックがあり売り上げとして数値でも評価がでているので、お金というよりも自身の働きかけの影響で喜んでもらえていることに対しては非常に満足をしていました。当時は平日は通勤に往復3時間、仕事は8時間ほど、仕事終わりのランニングで1時間、食事や風呂などクイックに1時間弱、睡眠が3時間から4時間程度で残りの余った時間は個人事業に当てるような生活をしていました。疲れはするのですが、日々の仕事の疲労をランニングで飛ばして気分を切り替えて食事や風呂で体を休ませてから副業して寝るのが日常でした。
過労もあったとは思いますが、本業の仕事中に突然寝落ちしまうことがだんだん頻発し社内でも問題視されるようになってきました。当初は副業が原因で本業を疎かにしていると指摘され、事実として睡眠時間も非常に短かったので否定はできませんでした。一方で医療系の企業であり、寝落ち方も尋常ではなかったらしく病気の可能性もあるとして入院して検査することになりました。本来であれば副業のしすぎで本業が疎かになっているストーリーでどちらか選べということを目論んでいたのだと思いますが、幸か不幸かナルコレプシーの診断がでて服薬治療をしつつ変わらず2つの業務を続けていました。それでも眠気は治らないですし社内の風当たりの強さから体調を崩し退職勧奨を受けることとなりました。同時に、副業も体調の限界で継続ができなくなり廃業とすることとしました。二兎を追った結果としてはある意味で当然だと思いますが、やることをすべて失ったかのようないわゆる燃え尽き状態になり、加えて収入も絶たれたので人生のどん底に落ちた時期だったと思います。本業の在職期間は2年半ほどですが実働は1年強かと思います。
通算して1年以上休職とその後の無職期間の1年半年とだいぶ長い期間休養をとりました。その間は人生の夏休みと割り切って生活をしていたのですが、新たな出会いがありつつも大手企業への再就職もできどん底ではありましたが再起はうまくいきました。前の仕事の退職にはあまり納得してはいなかったのですが円満に退職したことを受けて社長からのサポートや応援も受けていたので、そのおかげもありうまくいったと思います。私の人生に影響を与えた人物の一人で今でも交流があります。紆余曲折もありましたが最後には人情であり感謝しています。
新しい仕事は5年契約の契約社員で一番下っ端でした。採用を決めてくださったHiring Managerが私と同じ漢字の名前であり、面接時点から気にかけてもらいました。休職時にPythonを勉強していて社内の既存業務にPythonを使う前例はなかったのですが機会があるという理由でわざわざ新しいチームを作っていただきどんどん業務を流してもらえました。前例がないことを下っ端がやっているわけなので青い目でみられてはいましたが業務も楽しいですし、参加いただいた方々から確かな評価をいただきその方々が昇進したことを受けてチームの影響力が徐々に大きくなっていきました。3年目には正社員に登用、その後も昇進をしてありがたいことに役職レベルまで引き上げてもらいました。Hiring Managerのおかげです。再起を果たして生活も収入もかなり安定してきたのですが5年目に新しい難病として脱髄疾患があることが発覚し入院を繰り返しつつ将来の体調に対するリスクを感じる日々を過ごしつつ現在に至っております。
現在の会社もAIでどんどん人を置き換えていくことをしていてAIの急先鋒でもあるので難病を抜きでも失業のリスクは大きいと思います。それだけならまた新しい機会を見つければ良いのですが、体調の悪化でそもそもそのような機会が得られない状態になってしまう恐れがあるのでリスクとしては体調面の方がより大きく不確実で、リスクが顕在化した時のダメージは大きいと思います。
そう考えたときにお金がないと困って不幸な方に進むし、お金があっても幸せになれるわけではないけれどもお金があった方が良いに至りました。そのお金も仕事がどれだけの期間ができなくなっても困らない金額を目安とすると非常に大きく生活の工夫やお金の知識が必要だと思います。過去の自分であれば非常に大きな金額の前では途方もなく感じたと思います。10年・20年と先を見通したときに仕事ができる身体さえ維持できれば、質素な生活への移行やお金を増やしていく工夫を通じてマイルストーンを配置し実現していくイメージも湧いています。今は47都道府県の食べ物を取り寄せて食べたり、年に2〜4回程度欲しいものを購入したりなどして日常を楽しみつつ、節約もきちんと行い日々健康に過ごすことに集中しています。
現在の生活に至るまでを振り返ると、膨大な収入から消費、収入源の枯渇からの再起でだいぶ遠回りをしてきたと思います。それでも道筋に後悔はなくその時期ごとに最善を尽くしていたと思います。戦略としては最初から現在のように至っていたら良いのでしょうが、その時にしかできないことをして気持ちを大事にでき、現在も難病たちの苦労がありながらも幸せに過ごせていると思うと悪かったと思うことはできません。万が一、仕事ができなくなったときもその不自由の中でどうするかを考え抜くと思うので、今はできることに集中しながら小さな幸せを大切にしたいと思っています。