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難病患者における3つの自立

2025年の7月1日から10月下旬までの間の休職で家計の改善と最適化を進めましたが以下のポストが影響しているとふと思い出しました。

自立です。自立には3つあり(1)生活の自立、(2)経済の自立、(3)精神の自立があるというものです。これは平成10年の厚生白書で自立について取り上げられており、昭和以前の専業主婦や女性の観念と超少子高齢化とのズレも意識しつつ、女性の経済的自立と精神的自立を重視したものかと思います。個人としては難病もあり生活に支障が生じる恐れもありますし、そうなると経済の自立にも影響がでます。AIにより少なくとも米国においては雇用が悪化し新卒の仕事が見つかりづらい上に失業率が上昇しつつあります。日本もAIがより普及することで後追いで同様の流れがくる可能性も十分に考えられ、マクロ・ミクロとともに自立にあたって確かなリスクがあると感じ、印象に残りました。

生活の自立

生活は一人暮らしを楽しんでいるので家事全般はできますし家電の力を借りて楽をしています。自立とは苦労するものではなく低コストで使えるものならば省力化してそれを以て自立とすることも良いと思います。難病で排泄ができなくなったり、反対に我慢できなくなったりしたことが2023年10月から3ヶ月程度つづきました。ここまでくると人間の意思に反したものであるので非常に悩ましいものです。このような状況に陥っても日用品や医療の力を借りてなんとかすることもできますが、当時を振り返ると非常にQOLが低かったです。そう考えると生活の自立は当たり前の生活を満足に暮らすために重要であり、その実現のためには健康と生活の知識、日々の生活を正常に営むための仕組みがあると望ましいと思います。

経済の自立

ここが私にとっては一番悩ましいところです。引用の通りであれば「自分の食い扶持を稼ぐ」なので俗にいうFIREのような非常に大きなお金は必要がなく、仕事をして日々の生活を安定させることが条件かと思います。これは、健康を大事にして定年まで働き続けることが該当して、世の中の多くの世帯が当てはまることでしょう。

私は3種類の病気により3回の休職を経験しています。難病が複数あり、これらは治る見込みがありませんので服薬で対症療法を日々行いながら一生付き合う必要があります。3回目の休職は2025年に体験し復職し終えたばかりです。将来、さらに難病が増えることまではあまり想定していないですが、すでに3つの難病等があるなかでまず定年まで働けるかは正直分かりません。ただ、決定的に断念せざるを得ない状況でもないので黄色信号の状態であるというのが妥当だと思います。仮に赤信号になっても生活を辞めるわけには行きませんので、今のうちに準備が必要だと思っています。

そう考えた時に、持続可能な生活は豪華な日常というよりも収入が上がっても生活レベルをあげない質素な生活に寄っており、経済的自立を早期に達成できる方が望ましいと思います。体調面で正社員としての世間一般の仕事が難しくなったときに、仕事を辞める以外の選択肢に時短勤務であったり、雇用形態を軽めのものに変えたりなど選択肢を持ち、仕事を長く続けられる柔軟性を持たせることも大事だと思います。そうした柔軟性を生み出す源泉となるのはまとまった資産です。

私の場合には日々の生活を働きながら繋ぐものが経済の自立ではなく、病気の中でも確かに自分の足で立てる状態であることが経済の自立です。その点ではハードルが高く、ハードルをやり過ごすための規律やメカニズムが必要だと思っています(昨日の資産形成のモデルはそのためのものであるとも言えるかもしれません)。

精神の自立

精神の自立は「自分のことは自分で決める」と簡単に書いてありますが捉え所がないかもしれません。ただ、軸としては正しいかと思います。過去に個人事業をしていて、一昨日に人生で2回目の開業届を出しましたがこうしたことの積み重ねが精神の自立につながると思います。世の中には決断ができなかったり、決断するにも迷って時間がかかる方も多いと思います。決断するには代替案や理由、そしてその結果に対する責任などもあります。考慮することが多いので、慣れないうちは決められないのでしょう。ただ、生活における多くの決断はそこまで重大なものではありません。「今日着る服をどうするか」「何を食べるか」「休日に何をして過ごしたいか」などのように日常は小さな決断が多く、その決断をすることによって大金を失ったり誰かが死んだりするようなことは考えにくいでしょう。なので、小さな決断は速く・思い切りよく行い、海外旅行や家の購入などもっと大きなところに思考を集中して決めることが望ましいと思います。大きな決断の際も悩むのではなく、きちんと計画して比べるなどわからないことを明らかにして、責任をもって決めることが精神の自立につながる道となるでしょう。

自立の順序や難易度

私はそれぞれの自立をどれを優先させるかについては順序はないと思います。その中で順序や優先度を決めるとすると自身の状況と伸び代からそれらを判断して、まずは必要なところを伸ばし、伸び代のある苦手なポイントを伸ばしていくとよく、それぞれ同時に進めることができます。一朝一夕にはいかないので日々積み重ねることが大事です。

私の自立の道

継続的に自立をし続けるのにも、自立のレベルを高めていくにも継続することが必要です。また、健康の理由や老化によって自立の道をいつか戻ることも出てくると思います。その中で私の継続的な課題は以下の通りになると思います。

  • 生活の自立:いかに工夫して自立してできる状態を維持するか
  • 経済の自立:目標金額までいかに資産を増やし生活や仕事に柔軟性や周囲への安心感を持たせられるか
  • 精神の自立:認知機能をいかに維持しつつ成熟した老人になるか

最低限の生活はできているのでさらに知恵をつけつつ今の水準以上を維持できれば良いと思っています。経済については目標金額のように定量でゴールが決まっています。そのゴールにはやくつくためのKPIとして収入と貯蓄率なども設定でき大きな金額であっても管理はしやすいと思います。精神の自立は日々の労働と学習の中で身に付く教養から生まれると思います。どの自立もまだ道半ばで伸び代ばかりです。資産形成に集中している状況でもありますが、生活は資産だけで決まるものでもありません。なので、これらの3つの自立を忘れないようにありたいと思います。

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