『最強のポートフォリオをつくる金投資入門』読了
2025年12月22日
2025-12-18から読み進めていた『最強のポートフォリオをつくる金投資入門』を読み終えました。今後も折に触れて読み直す一冊になりそうです。本書は、Webで一般的に解説されている「金の値動きの傾向」の裏側で、なぜそのような挙動になるのかというメカニズムを丁寧に解説してくれています。そのため、傾向とは異なる値動きが起きた際にも、複合的な要因を分解して考えるための視点が身につくと感じました。
金は有事の際の守りとして機能する資産クラスであり、ドルや円のように特定の国に依存しない無国籍の資産です。一方で、実際の取引はドル建てで行われるため、ドルの動向に強く影響を受けます。米国の情勢やドルの動きを注視しつつ、長期的な値上がり傾向を捉えることの重要性を再認識しました。
また、株の暴落やインフレ、戦争、政治的な衝突といったリスクに対し、金が歴史的に強い防御力を発揮してきたことも確認できました。株の暴落時には、現金の確保(キャッシュ化)のために一時的に金も売られますが、安定資産としての需要があるため、その後いち早く価格を回復・上昇させる傾向があるようです。
現金は一定量持ちつつも金を組み込むことで、日常的なインフレ対策、リスク資産のボラティリティ抑制、そして暴落時の出口戦略(現金確保)という役割を持たせる。この戦略に強い納得感を得ることができました。昨日の日記にも書いた通り、純金を30%以上保有することで分散効果が大きくなり、50〜60%で最大化されるという知見は定説よりもはるかに多い純金の保有量です。なので、検証や振り返りをなくしてはなかなか素直に受け入れにくい手法である気もします。一方で、AIバブルの不確実性やインフレによる現金の目減りから資産を守りつつ、オルカンなどの中リスク資産の下落を補完する「守りの要」にもなります。なので、純金の比率を25%の状態から35%前後まで引き上げたいと考えています。
投資としての側面以外にも、戦争や政治、通貨・経済危機との関わり、さらには宝飾品としての歴史や古代エジプトの金文化など、多角的な視点で金という存在を知ることができました。息抜きを挟みつつ、知的好奇心を満たしながら学べる楽しい一冊でした。