生成AIで決算書を読む
2026年2月8日
1月末から色々な企業の四半期決算短信が出ているので読んでいます。財務諸表で数字を読み、数字の背景を読み取り、未来を想像する。競合と比べてみたり、異常値や転換点がないか確認したりする。普通に読もうとすると、数字の背景を読み解く作業や競合との比較が地味な手作業になりがちで、一社分でも相当な時間がかかります。2026-02-05で紹介した【改訂版】 会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方はまだ未発売ですが、生成AI投資の教科書は無事に読了して生成AIを使って決算書を分析する試みを始めています。Xで決算書の読み方についての新刊の告知があり、その中にプロンプトが6つ紹介されていました。
日本のトップ企業で「生成AIを使った決算書分析」の研修をしていますが、多くの方が躓くのが「AIに何を聞けばいいかわかん」という点です
— 【#会計クイズ】大手町のランダムウォーカー (@OTE_WALK) February 3, 2026
・そもそも疑問が思い浮かばない
・そもそも数字を見ても何も感じない
こんな方向けに、「問題や仮説が思い浮かばないときの打開策」レベルから公開しています https://t.co/T6zpVtswfD pic.twitter.com/39Gtf3mKw8
紹介されていた「競合比較」と「異常値の発見」のプロンプトを使ってサンマルクHDの決算書を読み込んでみたところ、ストーリーや将来の展望が見えてなかなか面白く感じました。サンマルクHDはコロナを機に業績や店舗数を落としていたのですが、そこから徐々にROEが回復。その後2024年末に低利子での借入を通じて牛カツチェーンを2ブランド買収して独占市場を築き、カフェ事業では30%超・レストラン事業では27%の利益増となりました。牛カツによって業績が伸びROEが8%まで回復し、牛カツ事業は海外展開も進めているようで、元々カフェでコーヒーとパンを売っていた企業のイメージとは離れたものがあります。企業全体で見るとパン・パスタ・牛カツと3本の主力を中心に飲食事業を複数手掛けて成長しており、他社比較でも客単価や利益率に光るものがありました。低利子環境のうちに借入を行っていたものの支払利息も増えていますが、市場は成長性を評価しているようで、ヤフーファイナンスやSNSでも好意的に受け止められ、株価にも反映されていたように思います。
生成AIを利用するとKPIの特定や損益分岐点の算出、1店舗あたりの売上や客数・単価の分解、深掘り質問や他社比較などが非常に簡単にでき、ふとした疑問にもすぐヒントが得られます。Gemini・Perplexity・MoonshotのKimi AIであれば株価情報や決算情報の取得・時系列比較も手間をかけずにできます。データ収集の手間を省いて分析や洞察に集中できるので、個別株の投資判断のしやすさや納得性が向上しているように思います。
効率的にナレッジを獲得できる環境が整ってきた今、地味な単調作業をAIに任せて未来を想像する部分に意識を向け、もっと多くの業種の決算書の物語を読み解いていきたいです。投資をするかしないかにかかわらず、サンマルクHDのように楽しく決算書を読める機会が今後さらに増えていくと良いと思います。