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『オルカン思考: 世界経済を味方につける「長期投資」の教科書 』を読了した

約10分

💡 Summary

本記事は、三菱UFJアセットマネジメントに所属していた代田秀雄氏による著書『オルカン思考』の読了記録です。インデックス投資において「市場に居続けること」の重要性が、下落局面でのドルコスト平均法のメリットと共に図解で分かりやすく解説されています。また、投資を「地味で確実な営み」と定義し、資産形成だけでなく、人生の経験への投資(経験の複利)や出口戦略としての資産の使い道まで、人生全体を通じたお金の循環を考える洞察が得られます。

オルカン思考: 世界経済を味方につける「長期投資」の教科書 を読み終えました。

もともとこの書籍のことを知らなかったのですが、Xでたまたま下記のポストが流れてきて書籍の存在を知りました。

オルカンを作られた方(代田氏)の書籍であり、つくり手にしかわからないような話もありそうだったのですぐ注文しました。17日に書籍が到着して18日の夕方から22時ごろまでのんびりと時間をかけて1周読みました。インデックス投資の知識や実際の運用における心構え、お金の使い方などバランスよく書かれている書籍でインデックス投資の入門書や2冊目に良いレベル感だと思います。そしてオルカンに産みの親が書いた書籍であるのでオルカンに特化した内容でもあるので、オルカンに投資をされている方にも良い書籍だと思います。

印象に残ったこと

投資で成果を出すには「市場に居続けること」が不可欠であり、下落局面こそ安く買い込める好機と捉える視点が重要です。本書ではその仕組みが図解で明快に解説されています。いくつか印象に残ったことがあるので記します。

市場に居続けることの大切さ

P23の『「市場の居続ける」ことの重要性』やP25の『相場が荒れても「続けるひと」が最後に笑う』というのはここのところのイランの戦争による相場からしても励みになる項目でした。タイミングを測って売り買いすると下落の局面で安く売り、回復の局面をのがして利益を得られないということが書かれています。また、市場最高値を更新しつづけるよりも、一度価格を下げるような逆境があるほうが成果が大きくなることも図解ありで書かれています。他の書籍でも解説されることもある内容ですが、図解が直感的にわかりやすく、ドルコスト平均法を活用しながら購入することの大切さがわかりました。

画像で解説されていた「株価シナリオ」と「積立投資の成果」を再現すると以下の通りで、Aが右肩上がりで基準価格が上昇し続けるパターン、Bが一度基準価格が下がってからもとに元づるパターンです。

一見するとAの右肩上がりのほうが増えていそうに見えるのですが、Bのシナリオのほうが最終的に評価額が高くなることが解説されています。

イランの戦争の件では横ばいや下落がありましたがその間も変わらずつみたてていたので安く購入ができて、基準価格の上昇に合わせて大きく評価額が上がったのだと経験とあわせても腑に落ちるところがありました。下落の場面は心理的に気持ちの良いものではないかもしれませんが、将来の回復や世界の発展を信じることができれば安く買い込んでいると考えを変えられます。それを図解で理解しやすくしてくれたことが非常にありがたいと思いました。

投資は静かで地味で確実な営み

このタイトルとSNS上の派手な成功談との対比も印象的でした。私は長期投資をはじめていて、積立は継続して長い期間運用をして複利を得ることが大事だと思っています。キオクシアや暗号資産のように確かに一攫千金というのもあるとは思うのですがそこに一極集中して大金を稼ぐようなスキルや勘をもちあわせているわけではありません。なので、インデックス投資で再現性のある方法で資産形成をするのが良いと思っています。SNSの成功談のような派手さもなく地味で時間がかかるので面白い方法でも夢があるわけでもないとは思います。ただ、ギャンブルをしたいわけでもないので私は地味で時間がかかっても分散と再現性は大事にしたいと思っていて、「投資は静かで地味で確実な営み」のタイトルだけでも刺さるものがありました。ついでにいえば世界経済を応援することにもなると嬉しいです。

経験の複利

少し前にNISA貧乏の話題があったのでこのことも気になった項目です。投資をすれば複利という形でリターンが得られますが、投資したお金は長期投資前提だと使う機会が先送りになるので経験をえる機会を逸失します。私自身は今よりも若いときに韓国へと留学したり、個人事業を営んだり、色々な贅沢品を購入して散財をたくさんしたりと経験をしました。その後あらたな難病にかかり大変な思いもありましたがこれらすべての経験があったからこそ今の仕事や無理のない投資スタイルが確立できていると思います。投資で資産を作ることも大事ですが、人生の経験も大事でありこの点でも分散のメリットがあると感じました。

山崎氏のメッセージ

巻末で山崎氏が「オルカンを末永くよろしく」と代田氏にメールを送られていたことが書かれています。経緯や山崎氏のことを知っていると非常に刺さるものだと思います。山崎氏の書籍をきっかけにオルカンへと投資することなったのですが、この書籍が気に入ったら経済評論家の父から息子への手紙を読んでみるのも面白いかと思います。

お金をどうするか

資産形成後の出口戦略として、使い切ることに固執せず、地域の活性化や贈与、寄付など人生を豊かにする循環を考えることが、長期投資の先にある一つの到達点です。

私自身は今は資産を作っているところですが夏までに4桁目が増える状況です。今後もどんどん増やしていき5桁は行くかもしれないし行かずに満足しているかもしれませんが、どうやって使うかというところも1つのテーマになっています。よく色々な書籍でお金を使い切れとアドバイスがありますが、使おうと思えば使えるけれども使うあてがあんまりないような気がしています。一区切りついたら、地域の飲食店を根こそぎ巡ってレビューはせずただ記録を残す、ご近所版のグルメ旅ツールを作って遊びたい気持ちやハイエンドオーディオの最後の仕上げなどもしたいです。ただ、お金も有限なので加減しつつ使い切らない前提になると思います。そもそもある分を使わずに運用することで資産形成をしたものなので、そこの根本を崩すのにも変化が必要です。年老いてそのような変化ができるのかいまいちわかりません。親しい方に贈与したり、寄付をしたりなど選択肢は色々あるので使い切らなくてもいいんじゃないかと思っています。

まとめ

『オルカン思考』は、オルカンの生みの親が語る投資の技術と心構え、そして人生を通じたお金の付き合い方を学べる、初心者から経験者まで納得感の高い一冊です。

投資を通じた資産づくりから資産の切り崩し、相続や子孫への贈与など人生を通じたお金の循環を学べる書籍でした。テクニックや知識だけではなく、運用者のひとの気持ちにも寄り添ったないようなので、親近感を持ちながらも読める内容だと思います。難しい内容もなく読みやすいのでNISAを使った投資やオルカンに興味がある方にぜひ手にとってもらいたい一冊です。

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